インプレッサWRXにリアビューカメラCMOS-C230を取り付ける

バック駐車のし易さと安全確保のため、インプレッサWRX(GDA-E型)にリアビューカメラを取り付けた。カーナビの純正カメラにするか安価な汎用カメラにするか迷ったが、今回はカメラ映像とカメラ電源が一本のケーブルになっていて配線が容易な純正品(ケンウッド専用スタンダードリアビューカメラCMOS-C230)にした。カーナビはKENWOODの彩速ナビ(MDV-M705)である。後方映像の左右のバランスを良くしカメラを安全確実に固定するため、取り付けにはカメラ付属のブラケットではなく「ナビオ君のカメラプレートステー」(プレステ)を使うことにした。作業の大まかな流れは次のとおり。

  1. トランク後方の内張を外す
  2. リアビューカメラをプレステに取り付ける
  3. プレステを車体に取り付ける
  4. カメラケーブルを車内に引き込む
  5. カメラケーブル~カーナビ間を配線するための準備
  6. カメラ~カーナビ間の配線
  7. カーナビの設定
  8. 配線確認とリアビュー映像の調整

1トランク後方の内張を外す

トランク後方の内張の下の方にある左右2か所のクリップを外す。(手で簡単に外れる。)写真では、作業をしやすくするためトランクルームのフロアマットを剥がしている。

内張は、外したクリップ部分を浮かせた状態で上に引っ張れば外れる。(力はそれ程必要ない。)

内張を外すとライセンスランプの電源ケーブルを車内に引き込んでいる箇所が見える。リアビューカメラのケーブルは、後でこの電源ケーブルと一緒に車内に引き込むこととする。作業中に細かいモノをスペアタイヤのところに落とすと面倒なので、フロアマットは元に戻しておいた方が良い。

2リアビューカメラをプレステに取り付ける

今回用意したプレステは、ナンバープレート中央上部にカメラが設置できるタイプだ。

リアビューカメラは付属ブラケットに取り付けられた状態なので、まずはこれを外してプレステに取り付ける。

プレステはカメラ別の専用設計になっているので取付穴はピッタリだった。取付後のカメラ映像を見る限り、インプレッサWRX(GDA-E型)の場合はカメラを目一杯下向きに取り付けるのが丁度良かった。(取付角度は後で映像を見ながら調整する。)

3プレステを車体に取り付ける

ナンバープレート右側の取付ボルト(M6サイズ)を外し、プレステをナンバープレートと車体の間に挟み込む。

カメラが中央付近となる様にプレステの位置を調整し、ナンバープレート取付ボルトで固定する。(カメラ(プレステ)の水平度は、後で映像を見ながら調整する。)今回は、取付ボルトを盗難防止用ステンレスボルトに交換した。インプレッサWRX(GDA-E型)は年式が古いため、ボルトが錆びている場合は新品に交換することを強くお勧めする。(実際、筆者のインプレッサは錆びたボルトを取り外している最中にボルトが折れてしまった。)

小ネタ(折れてしまったボルトの外し方)
筆者の場合は、錆びたボルトが中央付近でねじ切れてしまったのだが、ボルトの頭だけねじ切れてしまった場合も同じ手順で対処できるはずだ。作業内容を一言でいえば、折れたボルトの真ん中にドリルで穴を開け、ハンドタップでM6タップを立てる方法だ。以下が作業手順になる。
  1. 折れたボルトの真ん中に、センターポンチでマーキング(下穴用のくぼみ)をつける。(多少ズレても大丈夫だが、出来るだけ真ん中を推奨。)
  2. 折れたボルトに電動インパクトドライバでφ1mmくらいの下穴を開ける。(この時、グリースなどの潤滑油を刃先に塗ることを忘れずに。)
  3. 続けてφ5mmの本穴を開ける。(折れたボルトを貫通するまで。潤滑油も忘れずに。)
  4. 折れたネジ周辺に潤滑スプレー(CRCスプレーなど)を吹き付ける。
  5. ハンドタップで本穴にM6タップを立てる。(というか筆者の場合は、M6タップでボルトの残骸を外に押し出す格好となった。)

4カメラケーブルを車内に引き込む

まずはライセンスランプ電源ケーブルのコネクタを外し、このケーブルのパッキン部分を車外へ押し出す。(または、車外からパッキンを引っ張る。)次に、この穴からカメラケーブルをトランクルームへ引き込み、ライセンスランプ電源ケーブルと一緒にカメラ付属のパッキンに通す。

パッキンを車体の穴にハメ込む。元からあった車体の穴とカメラ付属パッキンの径は一緒(φ13mm)なので、そのまま取付ができる。

ライセンスランプ電源ケーブルコネクタを接続し、カメラケーブルをカメラ付属のテープで車体に固定する。この時、車外(カメラ本体~付属パッキンまで)のカメラケーブルは、ある程度たるませておくことを推奨する。何故なら、カメラケーブルをつたって水が車内に入り込み、最悪、スペアタイヤが水没する可能性もあるからだ。どうしても心配な諸兄は、パッキンと配線の隙間をコーキングすれば安全確実だろう。

5カメラケーブル~カーナビ間を配線するための準備

これが一番大掛かりな作業となる。

まずは、トランクルーム~室内の配線のため、リヤシートを外す。

リヤシートは、シート下部にあるボルト(左右2か所)を外せば簡単に取り外すことができる。

次にセンターコンソールを撤去する。まずはシフトノブを取り外し、シフトレバー部分のパネルを外す。パネルは上に引き上げれば外れる。裏にシガーライターの配線が付いているので、この配線コネクタも外す。(写真はシフトノブが付いたままだが、事前の取り外しを推奨。シフトノブは左(CCW方向)に回せは外れる。)

センターコンソール前方のネジを外す。

センターコンソール後方の小物入れ付近のネジを外す。

センターコンソールの上面パネル中央部分はハメ込み式なので、この部分を持ち上げて上面パネルを外す。この時、サイドブレーキカバーのボタンを外し、カバーがサイドブレーキに引っ掛からない様にする。
上面パネルが外れると、センターコンソール中央の車体取付ネジが見えてくるのでコレを外す。

センターコンソール後方の小物入れの中にある車体取付ネジを外す。

シフトレバー付近のインパネ(のツメ)を側面方向に持ち上げ、センターコンソール(ベース部)と切り離す。(左右)

これで、センターコンソール(ベース部)が外れる。

6カメラ~カーナビ間を配線する

リヤシート下部(左側)~トランクルーム(左側)の間に、カメラ付属の配線ケーブルを通す。


配線ケーブルとカメラケーブルを接続し、トランクルームの隅(左側)に固定する。


一番面倒なのは、リヤシート下部からセンターコンソール後方に向かう部分だ。(写真の矢印部分)今回は、フロア材の下を引き回して完全に配線が見えない様にしたが、これには通線用の工具が必須となる。幸いこの部分には元々専用フロアマットが敷かれているため、フロア上に配線してもこのフロアマットで配線を隠すことはできる。あまり拘らないのであれば、フロア上(矢印部分)に配線しても良いだろう。

フロア材の下に配線を通す方法
配線に拘りたい人のため、ここでフロア材の下に配線を通す方法を解説する。拘らない人は読み飛ばしてもらって構わない。

1.フロア材のクリップを外す。

2.通線工具をフロア材の下に通す。(写真は今回使用した通線工具。これをリヤシート側からフロア材の下に差し込む。)

3.通線工具に配線ケーブルを固定する。


4.通線工具をセンターコンソール側に引っ張り、配線ケーブルをフロア材の下から取り出す。

配線ケーブルがカーナビまで届く長さとなる様に、ケーブルの配線位置(長さ)を決め、センターコンソール(ベース部)を元に戻す。

余分なケーブルはリヤシートの位置で束ねて固定する。(写真は黒いタイラップで束ねている)


フロア材の下に配線した場合は、ここでクリップを元に戻す。

いよいよカーナビへの接続だ。まずは、インパネの下のネジを外してインパネを取り外す。インパネ上部はツメで車体に固定されているので、インパネ上部の脇にマイナスドライバーを差し込みコジ開ける。インパネに絶対に傷を付けたくない場合は、パネル取り外し専用工具などを推奨する。

インパネにはスイッチ配線とチューブが付いているため、これらを取り外す。

カーナビの取付ネジ(6か所)を外してカーナビを取り外す。

カーナビのカメラコネクタ(ケンウッド専用)に配線ケーブルを接続する。

7カーナビの設定

カーナビを操作し易くするため、取り敢えず元の位置に戻して(取り付けて)エンジンをかける。
カーナビが起動したら「HOME」ボタンを押し、液晶画面の「情報・設定」を押す。

「情報・設定」画面にある「外部機器」を押す。

「外部機器設定」画面の上部にある「カメラ」を押す。

リスト項目の「リアカメラ接続      *****」を押す。(*は現在設定されているカメラ)

「リアカメラ接続」ポップアップ画面にある「汎用カメラ」を押す。設定はこれで完了。

「現在地」ボタンを押してカーナビを通常画面に戻す。

8配線確認とリアビュー映像の調整

配線接続の確認のため、シフトレバーをリバースに入れる。リアビューカメラの映像が画面に表示されたら配線確認は完了。もし表示されなかったら、リアビューカメラの配線接続とリバース信号の配線接続をもう一度確認しよう。もし画面が傾いている様ならプレステの取付角度を調整し、ナンバープレートが見えていない様ならカメラの取付角度を調整する。

最初に画面に表示されるガイドラインはメーカー初期値のため、実車の車幅や好みの後方距離に合わせる必要がある。調整はカーナビのリアカメラ調整画面(「情報・設定」-「外部機器設定」-「カメラ」-「リアカメラ調整」)を見ながら行う。

事前に車幅や距離の目安となるものを車の後ろに置いて調整する。参考までに、愛車のガイドライン位置について記載しておく。まずは奥の緑のラインだが、リアバンパーからおよそ75センチの距離になる。手前の赤のラインはリアバンパーぎりぎりの位置、黄色のラインは車幅になる。カメラ上部にバンパーが映り込むため上部の視界は制限される。バンパーを削れば視界は広がるはずだが、それはお好みで実施されたし。

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